アンネ・M・フランク 「アンネの日記」
ようやっとアンネの日記 (文春文庫)を読み終わりました。以前の記事にも書きましたが、KUJIRAは今までこの本をなぜか敬遠してきました。しかし、読んでみるとやっぱり面白かったです。
アンネはすごいですね。あんなに絶望的な状況の中、彼女の文章だけはその光を失っていないんですから。普通、隠れ家の8人みたいな状況に置かれたら、日記を書いていても文章自体暗くなるはずなのに、むしろ終わりに近づくにつれてどんどん力強さが増しているんです。やはりこれも生きようとする力の成せる技なのでしょうか?
アンネは日記の中で、その鋭い観察力と、洞察力で周りの人や自身の分析、これからの世の中の事など多岐にわたり記述しています。とても十代の書いている内容とは思えないくらいすばらしい記述です。これを思うと人類は大変惜しい逸材を失くしてしまったのだと思います。
数ある記述に多くの感銘を受けましたが、一番衝撃的だったのが日記のクライマックスでした。・・・そう、一生懸命生きようとしているアンネの日記がこの先から無いのです。すごいショックでした。本当ならこの先も続くはずだったものが無いのですから。自分はこの最後の部分を1時間ぐらい何度も読み返しました。でもそこから先が無いというこの事実だけが自分の心に染み渡ってきてなんだかやるせない気持ちになりました。
全世界で読まれているベストセラーという話は本当でしたね。皆さんも呼んでみてください。戦争とかそういうのが本当にばかげた事だというのを再認識させられる作品だと思います。KUJIRAでした。
- 今回紹介した本
タイトル | 「アンネの日記 増補新訂版」 |
著者 | アンネ・M・フランク |
出版社 | 文藝春秋 | 発売日 | 2003年4月10日 | 価格 | 857円(税別) |
ページ数 | 597ページ |