前線で6年

 今年も終わりが近づいてきました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?KUJIRAは研究にバイトにと大忙しの毎日です。来年から就職先も決まり、「いざ社会人!」と意気込む気持ちの傍ら、最近ではここ6年間の思い出を振り返る事も多くなりました。

 KUJIRAが画面やそれに纏わるものが苦手、というかマジで大嫌いだというのは知人の間では有名な話ですが(笑)、これでも情報の世界に入ってもう6年経ちます。思えば家庭の事情で18歳の時にこの世界に入ってから今まで必死に頑張ってきました。高校を卒業まではパソコンに興味すら示さなかったKUJIRAは、インターネットどころかキーボードもまともに叩けないという素人丸出しの何ともお間抜けな奴だったのです。まぁそれも今では良い思い出ですけどね(笑)。

 一番最初のお仕事は、顧客先での簡単なネットワーク構築でした。1ヶ月後にやめてしまう前任者について行き必死にメモって覚えた事を今でも覚えてます。先ずは簡単な理論を教わり、実際に繋げて接続確認用のパケットを送るというただそれだけの仕事。今では2~30分あれば終わってしまうような至って簡単な作業だったのですが、当時のKUJIRAにとっては大問題。教えてもらっても終わるのに2~3時間掛かってしまいました。現場での作業が終わり会社に戻ると、PCにOSを入れる練習を何度もしました。ディスクのフォーマットを行い、OSを入れ、ドライバーをインストールし使える状態に戻す。これを1日1回は最低でもやりました。

 そして、1ヶ月が経ち前任者が辞めて一人で向かった初めて現場。用件はネットワークが繋がらなくなったので復旧して欲しいとの事。俗に言うトラブルシューティングという仕事です。前任者はいなくなりましたが、それまであらゆるネットワークのことを1ヶ月ではありますが寝ずに勉強したので絶対解決してやると意気込んで行きました。

 朝の9時に現場に到着し、お客様から状況を聞く。繋がらないPCの怪しい箇所(主にLANケーブルの断線やドライバーの不具合、パケットフィルタなど)を調べました。勉強と実践の成果は十分に出ていたと思います。しかし、4時間経っても問題を解決することができませんでした。いくら情報を集めても全く分からなかったのです。途方にくれました。父にも聞きましたが現場に居ないので分かるはずもありません、当たり前です。

 見かねた父がネットワーク設置をいつも一緒にやってくれている別の会社の技術者を呼んでくれました。その人は状況を聞き少し考えるとPCを取り出し行動を開始しました。先ず真っ先に見たのがルーターでした。根っこを全て外し、ルーターが正常に動いているかを確認したのです。確認した後にルータを繋ぎ直して問題のPCからパケットを送信し続けました。出てくるタイムアウトの表示の中に断続的に出てくるパケット送信が成功した事を示すサイン。それを確認すると、各HUBとルーターのデータリンクのランプを見ました。そして、その人が出した結論はコンピュータの何台かがウイルスに感染しているというものでした。

 愕然としました。今まで聞いたことはあるにしても、実際にその被害や現象を見たのは初めてだったので凄い衝撃を受けたのを覚えています。そこから後はその人の支持にしたがってウイルス駆除を行い、全て終わって帰りの電車に乗ったときには22時を回ってました。その日は寝ないでウイルスについて対策とか色んなことをずっと調べたのは言うまでもありません。

 他にも沢山いろんな仕事をしてその度に失敗をしてきました。まぁそれは、今度また機会があるときに話すとして、そうこうしているうちに1年遅れで大学に入りその間もほとんど寝ないで仕事をしながら学校に通いました。出張も幾度となく経験しています。そして3年目を迎えた春。KUJIRAが大学2年の時ですね。過労とストレスで盲腸になり入院しました。医者曰く、後少しでも遅れていたら死んでたらしいです(笑)大学もあるので傷が完治しないまま授業に出ましたがまた病院に戻ってしまう始末。結果的に単位なんてものはほとんど取れませんでした。

 この入院をきっかけに父の仕事の手伝いを辞め、学生らしいバイトをしようと思いました。最初は派遣で色んなところで働きましたがどれも今ひとつ合いませんでした。普通はこんなものなのでしょうが、入院で体力が落ちていることもあり、やっぱりコンピュータ系のアルバイトを探す事にしました。結果的にプログラムの会社を見つけ、プログラムなんて入門書程度にしかできないのに無理言ってアルバイトとして雇ってもらいました。そこで3年間社長に、時に怒鳴られ、時に飲みに連れて行ってもらい色んな事をしてきました。その間も父の要請があればそっちも最初の頃はちょくちょくやっていましたが、今ではそこの会社をメインでやっています。

 そして、来年からは新しい会社で社会人としての第一歩を踏み出します。就職氷河期なのでニートになるかと思いましたが、就職先が見つかって両親はとても喜んでくれています。バイト先の社長も親以上に喜んでくれました。そんな中、社長が自分に言ってくれた言葉があります。

「あなたは今まで大変な思いをして親の手伝いを頑張ったから、きっとこんな世の中でも勤め先がちゃんと決まったのよ。損得考えないで親孝行すれば報われるという良い例だと思うよ」

 その言葉を聞いて、頑張った甲斐があったなと目頭が熱くなり、泣く寸前でした。本当に報われたと思います。電子の事は全く勉強しなかったですけどね(笑)。でも、それで良かったと思います。これからも情報の世界で仕事を続ける事になると思います。もしかしたら、そうじゃなくなるかもしれませんが、どちらにしろ今までやってきた事を全て出しながらやっていく事は間違いありません。情報系の前線で6年、これからは前線から一歩引いたところで走っていきます。この経験と思いを忘れないように、今日ここにブログに記したKUJIRAでした。