喜多ふあり 「けちゃっぷ」
最近日記をサボり気味のKUJIRAです。読み終わった本が溜まっているのでちょいちょい日記に感想を落とし込まないと大変な事になりそうなので更新いたします。
今日紹介するのは喜多ふありさんのけちゃっぷです。
主人公HIROはもの凄い引きこもりで、思ったことを全てブログに書いて更新するという不思議な性質を持つ。目の前に居る相手でも携帯でブログを更新し話をする彼女にヒロシと名乗る男が現れる。AV男優であるヒロシとHIROとの間に起こった奇妙な事件とは?これってケチャップ?それとも血?
ということで感想に入ります。先ず最初の感想はHIROがとっても可愛いです(笑)凄い魅力的なキャラクターでそれだけで読んでいて面白いです。そしてなんとも貧相なAV男優ヒロシとの掛け合いがまた面白いです。
しかし、この作品の凄いところは終盤にあります。狭い空間、限られた人数、そして少し買出しに行った後、休憩しているのにも関わらず横たわった演技を続ける女性。女性の顔には生気が無く、ただ血糊が胸と腹から流れ出る。結果的に主人公はもう一回買出しに行くと言ってそこから逃げてしまったので真相は分かりませんが、人の想像をかき立てる文章力と場面設定が得体の知れない恐怖をじわじわと感じさせてくれる作品でした。
喜多ふありさんは他にも糞神という作品を書いているのでそっちも読んでみたいと思います。皆さんも時間があれば是非読んでみてください。KUJIRAでした。
- 今回紹介した本
タイトル | 「けちゃっぷ」 |
著者 | 喜多ふあり |
出版社 | 河出書房新社 | 発売日 | 2008年11月30日 | 価格 | 1155円(税込) |
ページ数 | 160ページ |